日本語教師

日本語教育能力検定試験 受験と勉強方法

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日本語教師は誰でもなれるわけではなく、
しっかり言語学としての日本語を理解し、教えるための教授法を学び、
それが実践できる知識と経験が必要です。

そこで、日本語教師になろうと思う人が避けては通れないのが『日本語教育能力検定試験』です。

この試験は公益財団法人の日本国際教育支援協会が実施しているもので、
日本語を教えることを目指す人が最低限有しておくべき知識を測るための試験です。

ただ、この試験は日本語教師になるための「資格」ではありませんので、
この試験に合格しなければ日本語教師として日本語が教えられない、というわけではありません。

この試験、どんな試験かというと…

・学歴、年齢、国籍に制限はなく、誰でも受けることができる

・国家資格、公的試験ではない

・日本語教師になるために法的資格は必要ないが、
 日本語教師として働くための基礎的資格として広く認知

・日本語業界に入るためのパスポートのようなもの

・年に一度しかない試験のため、多くの人が受験

誰でも受けられますが、一年に一度です。

実際に、多くの機関で求められる日本語教師になるための資格は次の3つです。

・420時間の養成講座を修了

・大学、大学院で日本語が主専攻、副専攻

・日本語教育能力検定試験合格

この中で、客観的に日本語に関する知識を測れるのが「日本語教育能力検定試験」です。

養成講座や大学での専攻は数字で表すことができないため、
その人がどのくらいの知識を持っているのかを客観的に測るのは難しいとされています。
(養成講座は「修了」、大学は「単位取得」)

一方、この検定試験は点数で合否判定を出し、履歴書の資格欄にも書くことができるため、
日本語業界のみならず多くの機関で「日本語を教える資格」として認められています。

一般企業などでは日本語業界についての知識を持っている人はほとんどと言っていいほどいません。

ですから、そんな一般企業の人たちが日本語に関する知識を判断しようと思ったら、
「点数」「合否」で表すことができるこの検定試験が役に立つわけです。

ただ、合格率は低く、平成18年までは20%を切っていました。

その後は20%は超えましたが、それでも25%ほどで、狭き門となっています。

【試験に関する情報】

⑴試験は三部構成(1日で行われる)

 試験Ⅰ     90分  日本語教育の実践につながる基礎的知識の判定

 試験Ⅱ       30分  音声を聞いて回答 基礎的な知識

 試験Ⅲ   120分 日本語教師として実践するための基礎的知識

 *試験Ⅱ以外はマークシート、記述式

⑵試験範囲

1.社会、文化、地域

2.言語と社会

3.言語と心理

4.言語と教育

5.言語一般

⑶受験者(H.28年度)

・受験者数    4909人

 男女比     女性3546人 男性1363人(比率 約7:3)

・年齢別受験者  20〜24歳  651人

         25〜29歳  636人

         30〜34歳  468人

         35〜39歳     414人

         40〜44歳     503人

         45〜49歳     516人

         50歳以上        1695人

・受験回数    初回3385人 2回目910人 3回目308人

・職業別     1 会社員、公務員、自営業  1618人

            2 主婦、主夫        750人

                                     3 日本語教員(非常勤)   502人

                                     4 退職者          438人

・試験情報確認   日本語教育能力検定試験 日本国際教育支援協会

【試験勉強】

では、この1年に一度の試験を受けようと思ったら、どのように勉強すればいいのでしょうか。

試験の内容は日本語の文法、構造、言語学、教育制度、歴史、心理学、と幅広いため、
勉強時間をどのように確保するかが鍵となります。

〈日本語教師養成講座を受講しながら受験に挑む〉

時間のない人や、何からどう始めていいのかわからない人には、
試験テクニックを知るという面では効率的かもしれません。

もちろん、有料です。

機関により異なりますが、養成講座だけでも約60万円ほどかかります。

(日本語教師養成講座の中に受験対策講座を設けている機関もあります)

〈独学で書籍、インターネット、通信講座、などで勉強〉

僕自身は働きながらの受験だったので、独学で勉強しました。

NAFL日本語教師養成プログラム』というアルク(株)が行なっている通信講座を利用しました。

費用は10万円ほどだったと思います。

通信教育の利点としては、

・費用を抑えられること
・学習時間を自分で決められること
・質問受付けなどのサポート体制も整っていること
・教材に信頼が置けること

などが挙げられます。

完全な独学よりこちらの方が安心して試験勉強ができるかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本語を教えることを考えている方でしたら、絶対に持っておきたい資格です。

ただ、何度も書いた通り、そう簡単な試験ではありません。

でも、だからこそ価値のあるものだと思います。

ボランティアで教える方、将来海外に行く可能性がある方、
外国人の知り合いが多い方なども、ご自分の選択肢を広げる意味でもチャレンジしてみてください。

また、自分が使っている言語とはどういうものなのかを知るいい機会にもなると思いますので、
教養の一つとしてチャレンジしてみるのもいいかと思います。

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