日本語教師

日本語教師に求められること 教壇に立ったら必要な4つ

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これまで、学生はもちろん様々なタイプの日本語教師にも会ってきました。

日本語業界は女性が圧倒的に多く、男性(特に若い方)は重宝されます。

日本語を学ぶ留学生にとっては、教師の年齢、性別、キャラクターにバラエティがあった方が、
学ぶ環境としては偏りがなく理想的だと言えますが、なかなかそうはいかないのが現状です。

日本語「教師」と言われますが、いわゆる「学校の先生」とはまた少し違います。
外国の義務教育修了者を相手に語学、また語学を通して文化・習慣を教えることに特化した職業です。

ですから、私たちの知っている学校の先生とは求められることが少し違います。

では、日本語教師に求められることとは具体的にどんな事でしょうか?

今回は「人柄」「人間性」という面ではなく、授業をする時に求められることをあげたいと思います。

1.話術

2.ユーモア

3.度胸・はったり・余裕

4.人をまとめる力

「日本語に関する知識は?」

「外国人に教える技術は?」

と思った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、このような技術や知識が必要だということは、
日本語教師でなくても分かりそうなことです。

今は、多くの優秀な日本語教師の方が
学術的な解説や「教え方」について公開しているサイトはいくらでもあります。

自身で反省とフィードバックを繰り返しながら、
徐々にスキルアップしていければ問題はありません。

ですから、あえてここで僕が知識や技術に言及する必要はないと思いました。

ここではそういったことではなく、長年日本語教師として現場で働いて来た人間の視点から見て、
現場で必要だと感じたことをご紹介できればと思います。

1.話術

「教える」には「伝わる」「伝える」必要があります。

「伝わる」「伝える」ために必要なものがこの「話術」です。

人に伝える力
人の話を聞く力
人を惹きつける話し方
人を笑わせる力

皆さんがこの中で自信があるのはどれですか?

どんなに知識があっても、どんなに経験豊かでも、
相手に話を聞いてもらえなければ「伝わる」ことはありません。
「伝わる」ことがなければ、「学び」にはなりません。

ただの一方通行、教師の独りよがりです。

この仕事のいいところは、この力が自分に備わっているか否かが、
教壇に立って学生の顔を見れば、すぐにわかるところです。

話術があると、教える側も教わる側も授業が10倍楽しくなります。

教えながら相手に「伝わっている」という手応えを感じることがこの仕事の醍醐味ですし、
教わる方にとっても夢中で話を聞きたくなるような先生のほうが、
学習の効果の面から考えても意義はあるでしょう。

具体的方法については紙面の都合上、ここでは省かせていただきますが、
この「話術」はマストで磨くべきテクニックだと思います。

僕自身も未だにこれに関しては研鑽の毎日ですが、夜美味しいビールが飲める日は、
きまって上手く「伝わった」日の夜です。

2.ユーモア

 人は「感情の生き物だ」とよく言います。

相手とダイレクトにコミットする仕事なので、
これがあると後に述べるクラスマネジメントにも非常に有効です。

限られた授業時間がメリハリのついたものになり、
学習効果にもよい影響を及ぼします。

要所要所にユーモアのある言動を入れることで相手の集中力を高める効果もあります。

そしてやはり何と言っても、ユーモアのある人は人気があります。

人は話の上手な人の話は聞こうとします。

ただ、くれぐれも相手をよく知った上で取り入れることをお勧めします。

3.度胸・はったり・余裕

 ちょっと不真面目に聞こえるかもしれませんが、とても大事なことです。

15年以上の経験があっても、20人の日本語ができない外国人を目の前にすると、
さすがに今でも圧倒されます。

20人の視線が「常に」あなたに注がれるわけです。

そんな経験ができる職業はそれほど多くないと思います。

こちらが不安や自信の無さを少しでも出すと、
それはすぐに相手に伝わり、相手も不安になってしまいます。

不安や自身のなさというのは、すぐに伝染するものです。

言葉が悪いですが、こちらが自信がなさそうにしていると、
相手に「ナメられる」ことさえあります。

一度「コイツはダメだ」と思われてしまったら最後、
授業のコントロールが効かなくなり、クラスマネジメントにも大きく影響します。

できなくても、わからなくても、胸を張って自信満々に振舞うこと

これが大事です。
(決して、威圧的という意味ではありありません)

でも、わからないときは正直にわからないといい、
自分が間違えた時はすぐに認めて素直に謝って訂正をしましょう。

それも一つの「堂々とした態度」ですから、相手の信頼を得ることに繋がります。

4.まとめる力・クラスマネジメント能力

クラスレッスンに限った話になります。

勉強をする環境づくりをする、というのはとても大事なことです。

それには、1〜3でお話しした全ての能力が必要になります。

「この人なら大丈夫だ」と相手に安心してもらうことで、
共有する時間が有意義なものになります。

信頼してもらうには、時には「余裕」や「はったり」も必要になります。

また、一緒に勉強する「仲間」になるようにお互いを敬う気持ちを持たせたり、
勉強しに来たいと思わせる空気づくりも求められます。

クラスレッスンの場合、これらも彼らの日本語の上達に大きく関わってきます。

最後に

実際に外国人の前に立ってみると、それまでは想像もつかなかったようなことが経験できますし、
人に物を教えるのは「教わる」ことがとても多いということを強く実感します。

何よりも、日本にいながらできる異文化交流を心から楽しむ気持ちを持つことが
一番必要なのではないかと思います。

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