日本語教師

日本語を教えることの将来性 

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日本語は語学の中では極めてマイナーな言語だと言えます。

敬語や表記(ひらがな、カタカナ、漢字)はもちろん、助詞、主語の省略など他の言語にはない特徴があります。

そんな理由から日本語は難解な言語だと認識されています。

また、英語や中国語、スペイン語などのメジャーな言語と比べると、使用する人やその目的も限られます。

ある資料によると、英語話者は世界人口の49%約30億人だというデータがあります。

一方、日本語はというと、順位こそ1.3億人で世界第9位ですが、
その話者は日本人がほとんどです。

世界で使われる言語とは言えません。

そんな日本語を学びたい人に教えることを仕事にしているのが、日本語教師です。

今後日本語が世界的に見てどのような言語になっていくのかは定かではありませんが、
日本語を教える立場の者として「日本語を教える将来性」について考えを述べたいと思います。

日本語という言語を選んだ理由

まず、数ある言語の中から日本語を選んだということは、きっと何か理由があるはずです。

留学生と接する中でよく聞くのは

「日本のアニメ・漫画を理解したい」「日本で働きたい」
「日本料理を学びたい」「好きな小説家の小説が読めるようになりたい」
「日本のファッションが好きだから」「日本の技術を学びたい」

…などで、日本語を学ぶ理由は多岐に渡ります。

メジャーな言語によくある

「使えると便利だから」「どこでも通じるから」「できないと不便だから」

という漠然とした理由ではなく、
しっかりとした理由と目的があって学ぶことを決めた人が多い言語なのです。

日本語を学ぶ人から

「使えると便利だから」

という言葉は今まで一度も聞いたことがありません。

そもそも日本語は全然「便利な言語」ではありません。

しっかりとした学ぶ目的を持った人たちが学ぶ言語それが日本語ということです。

日本語を教えることの価値

では、その日本語を教えることにはどのような価値があるのか、です。

上記のような目的、夢を持った人に日本語を教えることで、
彼らが自分自身で描いた理想像に近づくためのサポートができます。

将来的に彼らが夢を叶え、自分の理想とする生活を送り活躍することができれば、
彼らの人生に少しでも関わることができた自分もこれほど嬉しいことはないでしょう。

彼らが夢を叶える過程に関わる仕事、と言ってもいいと思います。

これは私自身が留学生を前にして、日々感じていることです。

「こうなりたい」「この職業に就きたい」「こんな会社に入りたい」という
個々の持つ理想像がはっきりしているわけですから、こちらとしても指導に熱が入ります。

日本語

こんな目標がある→それに近づくために日本語を学ぶ

英語

英語を学ぶ→色々な可能性を広げることができる

僕のイメージだとこんな感じです。

どの言語にも言えることですが、語学の習得というのは単なる「語学学習」に収まらず、
その人の将来の可能性や選択肢を大きく広げるものだと思います。

他国の人とコミュニケーションが取れるというだけで、
未知のものに触れることを可能にするチャンスが広がります。

日本語であれば、それに加えてしっかりした目的と目標を持ち、
日本という国と日本語に特別な想いがあるのであれば、
教えること、学ぶこと双方に「将来性」がないわけがありません。

例えば、

あなたはどんな言語を学びたいと思っていますか?
どんな言語ができたらいいと思っていますか?
その言語を学びたい、できたらいいと思う理由はなんですか?
なぜ、その言語なのですか?

しっかりとした目的と目標が言える方は、学ぶ必要性を感じ、
自分の将来像がしっかり描けている方だと思います。

そういう方は、一生懸命にその言語をマスターしようと努力するでしょう。

日本語を教えることは、
そんな人たちを相手にした仕事です。

最後に

日本語教師として日本語を教えることは、単に日本語だけにとどまらず、
世界に誇れる日本の文化や習慣も紹介する機会を持つこともできます。

これは大きな魅力です。

よく、「海外に行くと、自国のことが見える」などと言いますが、
日本にいながら他文化に触れることができ、
同時に日本についても再認識することができます。

そして、教える側、学ぶ側とも様々な可能性が広がります。

そんな日本語教師という職業に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

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