日本語教師

日本語を教える形態 どこで教えるか

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「日本語ってどこで教えるの?」

「外国人に日本語を教えよう」と思ったら、
実際にどのようなところで日本語を教える事ができるのでしょうか。

真っ先に思い浮かぶのは、いわゆる「語学学校」と言われている機関ではないでしょうか。
日本語に限らず、様々な語学を習得するための語学学校ビジネスには
近年一般企業も参入するようになってきています。

僕も実際に食品チェーンや不動産会社から「今度日本語学校を作るので、新規メンバーとして働かないか」
なんてお誘いを何件か受けたことがあります。

CMでお馴染みの某トレーニングジムも英会話部門を設立したようですし、
様々な業種の企業が語学教育事業に参入してきています。

では、「日本語教師」として日本語を教えたいと思ったら、
どのような機関で教えることになるのかを挙げてみます。

日本語学校

日本語を学びたい外国人が学ぶ語学専門教育機関です。

法務省から告示を受けた日本語教育機関を指していて、
入学者には「留学」の在留資格が与えられます。

現在日本には300校ぐらいの日本語学校があると言われていますが(日本語教育振興協会 H29)、
日本語学校の数はその時の社会情勢で大きく増減します。

2011年の東日本大震災の年、その後数年は放射能などの影響もあり、
日本にくる外国人が減ったことから学校の数も減少しました。

この、あまり一般的には馴染みのない「日本語学校」とは、
そもそもどんなところなのでしょうか。

日本語学校ってどんなところ?

学校は主に都市部に集中しています。

アジアからの留学生を中心になります。

大学や専門学校進学、日本企業への就職、好きな日本文化を学ぶため…
様々な目的を持った外国人が日本語学校に通うことで「留学ビザ」をもらい、
「留学生」として日本語を学んでいます。

日本語を教えるにはこの日本語学校で働くのが一般的で、コマ数で授業を担当します。
1コマ50分、午前4コマ、午後4コマ、といった具合です。

最近流行りの少人数、プライベートという形ではなく、クラス授業です。
(プライベート、進学クラス、就職クラスなどを設けて独自の集客をしている学校もあります)
そして、その1クラスを数人の先生で日替わりで担当するというのが一般的なスタイルです。

雇用形態としては常勤講師と「非常勤講師」とがあります。

待遇や環境などの細かいことに関しては、
別記事「日本語教師の給料」で詳しくお話ししていますのでそちらをご覧ください。

プライベートレッスン/スカイプレッスン

その名の通り、1対1のマンツーマンで日本語を教える形態です。

前述の日本語学校でもクラスレッスンとは別に有料で個別レッスンを行っているところもありますが、
多くは派遣会社やサイトに登録をして依頼やマッチングが成立すれば、
時間と場所を決め個別に教えるという形になります。

企業などは自社の外国人社員の日本語指導を外部に委託して行う事が多く、
それらの企業と日本語を教える教師との間にマッチングをする会社が入るというイメージです。

また、コネがあれば知り合いからレッスンを頼まれるなんていうこともあるようです。

大勢に対して教えるクラスレッスンとは違い、個々のニーズに応えられたり、
時間などの融通が利いたりと言った利点がある一方で、
カフェなどの行う際は周りが気になったり、突然キャンセルになったりすることもあるため(収入なし)、
教える教師側としては一長一短のようです。

日本語学校で教えながら、空いた時間はプライベートレッスン

という風にうまく組み合わせて働いていらっしゃる方も多くいます。

企業に雇われて外国人社員に日本語指導をする

社員として会社に在籍し、社内の外国人社員に対しての日本語指導を業務とする形態です。

このところ多くの企業で外国人が増えていて、この傾向は今後も続くことが予想されます。

特にIT関係の会社には外国人社員が多く、そうした人たちへの語学指導を行います。

IT関係のエンジニアなどは技術職ですから、
技術さえあれば多少語学に問題があっても企業は採用します。

ただ、やはり社内でのコミュニケーションが満足に行われないと、
業務に支障が出るケースもあるということを採用担当の方はおっしゃっていました。

そこで、外部委託をしたり、自社内でしっかりトレーニングを行おうと考える企業が増えてきているのです。

みなさんご存知のYahooでは今年(2018年)から、自社で日本語指導を始めました。

一般企業ですから、語学教育にそれほど多くの知識を持っているわけではありません。
ですから、一定期間の経験があり、カリキュラムや教材作成のできる人材が求められる傾向が強いようです。
(僕も数社面接を受けたことがあります)

企業での勤務の利点の一つとしては安定、安心が挙げられます。

日本語学校の非常勤講師だと正規の社員ではありませんから、保証や福利厚生、
給与(病気などで休むと、その分の給料は出ません)などの面で不安があります。

会社の正社員となれば、この辺の不安はなくなるでしょう。

ただ、前述の通り、ある程度の経験は必要になるかと思いますが、
僕が面接を受けてみて感じたのは若い方が有利ということです。

日本語教育界は経験や能力が求められるので、比較的年齢層が高くなってしまうのですが、
企業にとっては多少の経験がありさえすれば、
「若くて教育しやすい人間」の方がいいと考えているようです。

あまり経験がありすぎても、敬遠されるということでしょうか。

若い方は、選択肢の一つとして考えてみるのもいいかもしれません。

海外で教える

一言に海外で教えるといっても、いくつか形態があります。

1.語学学校(アジア圏が多い)

2.日本企業の海外支社での現地社員への日本語指導

3.大学、大学院

4.公的機関での期間限定ボランティア  …など

国によってニーズや雇用、給料の形態は大きく違います。

アジア圏

アジア圏だと日本語教師のニーズは多くあります。

しかし、

採用条件のハードルは比較的低いものの、給与などの面で条件が満足のいくものでなかったり、
キャリア的に将来に不安が残る求人が多いのが現状です。

特に若い方はその国にずっと居続けるわけではないでしょうから、
日本に戻ってきてからのことを考えます。

そのときに「貯金がほとんどない」なんてことになると、
帰国後に何か新しいことを始めようにも先立つものがなくて困ってしまいますよね。

アジア圏で日本語を教えるには、そのあたりの覚悟を持っておいたほうがいいでしょう。

欧米圏

欧米などでは、そもそも求人の絶対数が少ないことと、
より専門的な知識や資格を求められる(修士や博士など)のが普通です。

そのため、欧米で教えることは非常に狭き門となっています。

それに、語学教師一本で食べて行くのは非常に難しいのが現状です。

また、語学教師に限らず、欧米圏で仕事をするには
よほどの専門知識や経歴がないとビザが下りません。

とにかく、この「ビザ取得」をクリアできなければ滞在することさえできませんから、
まず最初にやるべきことは「ビザ」ということになります。

これらの他にも大学の「別科」と言われるところや、
最近何かと話題の技能研修生(主に介護を学びにくる東南アジアの研修生)に教える
といった形態もありますので、ご自分に合ったスタイル、機関、また場所を選ぶといいかと思います。

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