日本語教師の「給料」についてです。
どのくらい稼げるのか、気になる方も多いかと思います。
僕の知る範囲でお話しします。
まず、別でお話しした「日本語教師の労働形態」を思い出していただきたいのですが、
日本語を教える形態はいくつかあります。
1. 日本語学校で教える(常勤講師、非常勤講師)
2. プライベート、スカイプレッスン
3. 企業に雇われ、外国人社員に日本語指導をする
4. 海外で教える
この中で、今回は最も多く、一般的な「1.日本語学校で教える/非常勤講師」の給与形態と給与事情を中心にお話しします。
日本語学校では1コマいくら
僕自身も長年非常勤講師として働き、現在も都内某日本語学校で教えています。
基本的に日本語学校で非常勤講師として教える場合、「時給」になります。
この「時給」という言葉が、この仕事を社会的認知度の低いものにしている原因の一つでもあるのですが、
それについてはまた別の機会にお話ししたいと思います。
「時給」は1時間の給料ですが、日本語学校の場合「1コマいくら」という計算の仕方をします。
ほとんどの学校が50分を1コマとし、1日の授業は1クラス4コマあります。
学校によっては、午前のみの学校もありますし、午前午後の2部制で学生が入れ替わる学校もあります。
(午前の部、午後の部といった感じです)
つまり、1クラス担当すると「1コマの給料×4」がその日の給料となり、
午前午後2クラス担当するなら、「1コマの給料×8」となります。
実際の時給は?
気になる1コマ分の時給ですが、1300〜1500円からスタートという学校が多いようです。
私もなりたての頃はそうでした。
一般的なアルバイトと比べると少し高いように思いますが、
実はこの金額には事前準備や授業後の事務作業など全てが含まれています。
「授業をする」にはそれなりの準備が必要なのはどの教育機関も同じだと思いますが、
非常勤講師としての給料というのは「授業をした時間」でしかもらうことができません。
ですから、準備に時間がかかってしまえば、時間あたりの給料は安くなってしまいますし、
時間がかからなかったとしても、決められた額以上になることはありません。
では、事前準備を短くすればいいのか、ということになりますが、一言で言えばそれは難しいです。
特に経験の浅いうちは諦めた方がいいでしょう。
経験がない上に準備時間を削れば授業の質を下げることになり、学生、教師双方にとっていいことではありません。
また、一般企業では昇給やボーナスがありますが、
日本語学校では時給は何年かに一度百円単位で上がる程度ですし、ボーナスはないところがほとんどです。
これが巷で「日本語教師は食えない」「割に合わない仕事」「家族を養う男の仕事ではない」といわれる所以です。
準備に時間ばかりかかり、稼げない。
給料の上限がある程度決まってしまっていて、それ以上望めない。
授業の組み方次第
ただ、希望といってはなんですが、この辛い時期を我慢しある程度の経験を積むと、
1コマあたり2500〜3000円もらうことも可能になります。
この頃には準備時間も始めた頃より格段に短くなってきているはずです。
学校からの信頼も得て、空き時間なく授業に入れているでしょう。
時給2500円で計算してみます。
1日通し、8コマ授業をしたとしましょう。そうすると、1日2万円になります。最大で週5日だと10万円。
1ヶ月40万前後を稼ぐことも決して無理な話ではありません。
複数の学校で教え、授業を上手に組むことができれば、十分可能な額です。
残業などはないので、夜にプライベートレッスンを入れてもいいでしょう。
実は、僕がお世話になった学校の中で、年2回「賞与」という形でボーナスが出ていたところもありました。
ただ、この「月40万円」はある程度の経験と学校側からの信頼、授業に入れる運があれば…の話です。
ダブルワークという選択肢
私はこれまで、日本語学校で教えながらスポーツクラブでインストラクターの仕事もしていました。
一昔前だと、一つのところに勤めてしっかりした保証を受け、
昇進していきながら最後まで勤め上げるというのが一般的だったと思います。
ただ、「ダブルワーク」は珍しくない時代ですし、
解雇や倒産などのリスクの分散という意味でも色々なところから給料が入ってくるようにしておくのは必要なことだと思います。
私は「自分で稼ぐ」と考え始めてから色々な方の発信されているものを読んだり、アドバイスをいただいたりしましたが、
「こうでなくてはならない」「こうするのが普通なんだ」と思う必要は全くないと思います。
働き方は様々。
特に働き方が見直されている昨今、自分に合うスタイルで、自分らしくいられる働き方を模索し、
その実現に向けて努力することは、非常に前向きで素晴らしい生き方ではないかと思います。
人に頼らず、まずは自分が価値のある人間になることです。
一人で稼ぐのは大変な分、達成感と喜びも比べ物にならないくらい大きくなります。
最後に
これから日本語を教えようと思われている方。
お金に関してのネガティブな情報を目にして不安に思う気持ち、とてもよくわかります。
しかし、やり方次第で不安は払拭できますし、何より、自分のやっていることのフィードバックがリアルタイムで手に取るようにわかるやりがいのある仕事であることは間違いありません。
始める前から色々考えるより、まずは始めてみてください。
選択肢が多くある時代です。
収入について考えるのは、それからでも全然遅くはありません。
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