日本語は外国語

外国人のあるある 「あいづち」と「聞き返し」

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日本語教育の専門的な観点からではなく、あくまで一般企業内で外国人に接した時に聞くであろう日本語の間違いと、なぜそれが起こるのかについて、これまで多くの留学生を見てきた日本語教師としての分析をわかりやすく述べたいと思います。

社内でのコミュニケーション改善に役立てていただければ幸いです。

あいづち

皆さんは結構あいづちを打つほうですか?

それとも、相手の話は黙って静かに聞くほうですか?

いろいろな方がいると思います。

では、日本語のあいづちというと思い浮かぶのはどんなものでしょうか。

「はい」「ええ」「そうですね」「そうなんですか」

「へぇ」「すごいですね」「うん」

「あらぁ」「あ〜」「わかる」「なるほど」「知らなかった」…

一般的に日本語は他の言語に比べてあいづちが多い言語だと言われています。

ここでは、外国人のあいづちの有無と頻度、母語のあいづちの干渉について述べたいと思います。

また、聞こえなかった時や、意味がわからなかった時の『聞き返し』についても考えてみたいと思います。

あいづちの目的と役割

あいづちの目的としては、相手に「あなたの話を聞いている」「理解している」ということを
知らせるためだと言われています。

もし、全くあいづちがないとどうなるか。

話している人間は相手が聞いているのか、
自分の話を理解しているのかがわからず不安になります。

それに何より話しづらいですし、話し手の話し方にも少なからず影響を及ぼします。

相手は聞いていないのか、自分の話をわかっていないのか。
そんな不安を抱えた状態で話すと、気になって話すことに集中できませんよね。

そうなると、大事なことを言い忘れたり、
話の構成が崩れたりして結局伝わりにくくなってしまいます。

話し手がわかりやすく話せるかどうかは
聞き手のあいづちや表情、態度によるところも大きいと言われています。

よく「パフォーマンスは観客次第で大きく変わる」なんて言いますよね。

一対一の会話でも同じことが言えると思います。

でも、このあいづちというのは、頻度やタイミング、声のトーンが非常に難しいものでもありますし、
そもそも正解というのもありません。

人によって様々な相槌の打ち方をします。

あいづちが多い人
あいづちが少ない人
すごく感情的なあいづちを打つ人
興味なさそうなあいづちを打つ人

外国人のあいづち

外国人のあいづちに関しては、日本人と比べると、「少ない」というのが大きな違いであると思います。

英語圏の人に多い「アハァン」には若干違和感を感じますが、
失礼な言い方とまでは言えないと思いますし、トラブルに発展するとも考えにくいです。

・あいづちが少ないことでわかっているのか不安になる

・母語だが、誰もがあいづちだということはわかる

それほど神経質になる必要はないと思います。

ただ、外国人が日本人のあいづちを見て変に誇張してしまい、
会話の中で使いすぎてしまうのは注意してあげたほうがいいかもしれません。

相手が話している最中にあいづちを打ちすぎると、
話の邪魔ですし、わざとらしく、さも全てをわかっているかのような印象を相手に与えてしまいます。

こうなると、相手の気分を害することになり、
コミュニケーション上よろしくないものになります。

他に気になるのは「そうですね/そうですよね」の使い方です。

別の記事「助詞」でも書きましたが、
この「そうですね/そうですよね」の使い方を間違えると、
なかには「ん?」と思う人もいるかもしれません。

ここではあいづちとしての「そうですね/そうですよね」を考えます。

では、外国人が使う「そうですね/そうですよね」が問題になるのはどんな時か、です。

「報告書の書き方が違うよ」
「そうですね」
「いや、『そうですね』じゃなくて…教えてあげているんだけど」
「そうですね」

「すみません、企画書のチェックは誰にお願いしたらいいでしょうか」
「田中マネージャーかな」
「そうですよね」

知らないことを教えてくれている、
間違いを指摘してくれているという場面だと想定してください。

そんな時に「そうですね」をあいづちとして使うとどうでしょうか?

皆さんはこう言われたら、どう感じますか?

聞き返し

次に『聞き返し』ですが、これは母語の影響を大きく受けます。

これまで多くの外国人に接してきて、
彼らの聞き返しに気分を害したことは何度もあります。

もちろん、彼らに悪気はありません。
母語で使っている聞き返しの言葉をそのまま使っているだけです。

「昨日修正するように言った報告書はどうなりましたか?」
「あ?」/「は?」/「何?」

すごく嫌じゃないですか?

ケンカ売ってんのか!!」となりますよね。

でも、このタイプの聞き返しは比較的によく聞きます。

母語と同じ、悪気は全くない、ということが知識としてあればいいのですが、
そうでない相手の場合はトラブルの元になりかねません。

みんながそういった知識があるとは限りませんし、
アジア人だと外見で外国人に見られないことも考えられます。

相手は日本人だと思って声をかけたり、注意をした時に

「あ?」

と言われたら、「なんだ!」となりますよね。

「あ?」「は?」は主に中国語圏の人が使うことが多いようですが、
日本語では失礼な聞き返し方になることを口を酸っぱくして教えてあげたほうがいいと思います。

でないと、彼ら自身が望まないトラブルに巻き込まれてしまいます。

僕も教えている学生たちには事あるごとに指摘し、直すように厳しく言っています。

対処法

しかし、何も考えずに反射的に口から出る言葉というのは本当に直りにくいものです。
返事、あいづち、聞き返し、驚きなどですね。

気をつけようとしても、「反射」と「習慣」で発してしまうものは
なかなかスイッチを切り替えることができません。

あいづちに関しては、外国人が数ある日本語のあいづちを適切に使いこなすのは大変ですから、
まずは前述した「話を聞いている/理解している」という意思表示だけでも
しっかりとするように教えてあげるといいと思います。

うなずく

これだけでも十分です。

あいづちに困っている外国人がいたら、そうアドバイスしてみてあげてください。

聞き返しについては、「あ?」と言う度に注意してあげてください。

この聞き返しは絶対にすぐ直したほうがいいと思います。

外国人の日本語を注意する日本人はほとんどいません。
全てを注意していたら、会話にならなくなってしまうからです。

小さな間違いや、相手に失礼な間違いでなければ直す必要はありませんが、
そうでない場合は、積極的に直して「あげた」ほうがいいです

それが彼ら自身のためなのです。

日本語は話し方一つ、言葉の選び方一つで、
相手が受ける印象が大きく変わることがあります。

それを知らないで使っているのと、知っていて使わないのとでは大きく違います。
知らないことで自分の評価を下げてしまったり、
相手が離れていってしまったとしたら、あまりにも彼らがかわいそうです。

ですから、気づいたら一言言ってあげてください。

逆の立場だったら、あなたもそうしてほしいと思いませんか?

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