企業の日本語

日本で働く外国人材の現状と現場からの声1

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

ここ最近の流れ

ユニクロ、Google、楽天、アサヒビール、シャープ、三井不動産、日立製作所…

昨今「社内公用語は英語」を掲げる企業が増えています。

これは日本で働く外国人にとって、願わしいことなのでしょうか?

媒介語として英語を使うことで言語の壁を低くし、スキルや知識に重きを置くというスタンスの企業が増えています。
外国人の採用条件もスキルや経験が第一になってきています。
それが「国際化」の波で今後もその流れは広がっていくだろう、と感じている人は多いと思います。

しかし、皮肉なことに英語化の波で、日本で働く外国人財たちが抱える「日本語コミュニケーションへの不安」が
埋もれてしまっている、という現実もあるのです。

実際に企業との契約で外国人ビジネスマンを教えていて感じること、また彼らからの声を共有したいと思います。

大手企業で働く外国人財は日本語学習を必要としている

ありがたいことにご縁があって現在数社の企業で外国人財の日本語レッスンを担当しています。

その中で感じることは、彼らの多くが日本人とのコミュニケーションに大きな不安を覚え、
日本語のレッスンを必要としているということです。

皆さんそれなりの企業に勤めている方ですからある程度の日本語力はあるにもかからわらず、です。

これをお読みくださっている皆さんも、御自身が外国で働くことを考えてみてください。
いくらその国の言葉が堪能でも現地の人とのコミュニケーションに不安を感じない、という方は恐らくいないでしょう。

仕事で使う、となればなおさらです。

日本で働く彼ら外国人財も職種や会社での立場にかかわらず、同じように不安を感じています。

実際の声を挙げてみます。

・日常会話はできても、業務の話になると理解が難しくなる。

・業務に関する話は専門用語が多く問題はないが、カジュアルな場面での会話に苦労する。

・日本社会ではやはり人間関係を築くことがとても大事で、それには日本語力は必要だと感じる。

・社内で上に上りたい。それには日本語のレベルアップが必須

・敬語やビジネス日本語、ビジネスマネーは厄介。取引先との交渉などを考えると、学ぶ必要性を強く感じる。

・特にIT系の企業では会議などで難解な日本語が飛び交い、日本人は日本語のコントロールをしてくれない。

会社が「社内公用語は英語」と謳っていても、同僚の日本人同士は日本語で話しています。
日本語ができなければその輪の中に入っていくことはできません。
「業務の話」だけでは良好な人間関係を作ることは難しいでしょう。退社後の交流もやはり日本語です。

「社内通訳常駐」というシステムがあっても、通訳担当が常に自分に付いてくれるわけではありません。
それに、通訳を交えないで同僚と個人的な話をしたい場合もあるでしょう。
また、通訳は100%ではありません。
通訳者のスキルに左右される、微妙なニュアンスが伝わらない、などといった声も現場からはよく聞きます。

「エンジニアは日本語不要」というスタンスを会社がとっていても、上を目指すなら必然的に日本語はマストです。
自分の立場が上になるに従い付き合う相手もそれなりの地位にある人が多くなります。
必ずしも英語だけで渡り合っていけるとは限らなくなるからです。

日本で働くそんな彼らの声、

「会社に入ってから日本語を学ぶ必要を痛感した…」

会社との認識の差

会社と彼らの間には、そもそも日本語に対する認識に大きなズレがあります。

会社側…

「日本に来たからには日本語は自分で学んでもらわないと困る。また、そうするべき」

「日本語のストレスを感じないように通訳を入れているから問題ない」

「社内公用語を英語にし、『共通言語』を使用しているので、コミュニケーションの問題は起きにくい」

「専門分野(特にIT関係)に関する業務で日本語の優先順位は低い」

会社がこのような方針だと、コミュニケーションの問題で理解を示してもらうのは難しいでしょう。

では、自分で教えてくれる人を探し、コンタクトを取り、学ぶ、というのは可能でしょうか。
日本語教育業界と一般企業には接点がほとんどありません。
ですから、自分で信頼できる日本語の先生を探す、というのはあまり現実的ではありません。
「先生」といっても、ボランティアで教えている方、留学生を教えている方、社会人を教えている方、
昔教えていた方、など様々いるのが日本語業界です。
「合う」先生と出会えるかは、運…ですね。

日本語教師の側から彼らにアプローチしていくというのはどうでしょうか。
先にも述べた通り、日本語教師が一般企業と繋がりを持つのはそう簡単ではありません。
つまり、日本語教師側が教える対象(日本企業で働く外国人財)を探していても、
それが企業や一人一人の外国人財には伝わることはほとんどありません。

このような現状により、お互いがニーズを満たすことができていないのです。

困っていて、必要としている人がいる。

ビジネスパーソンを教えたい日本語教師もいる。

しかし、それをつなぐツールがない。

残念ながら、これが今の現状なのです。

次の記事に続きます。

コメントを残す

*