では、求められる教師になるには実際にどう動けばいいのか。
前回の記事では、4つの目標を立てて動き始めたと書きました。
①企業に入り込む ②社会とつながる
③専門性を身につける ④個人で仕事を取れるようになる
一つずつどんなアクションを起こしたかをご紹介します。
①企業に入り込む
教師派遣の登録サイトなどではなく、まずは企業レッスンや社会人を教えている日本語教師仲間に
紹介してもらう方が確実です。
初めは1人紹介してもらうだけで十分です。
ニーズは多くありますので、かなりの確率で紹介はしてもらえるはずです。
それが第一段階。
次に、企業とのつながりができたら(個人契約でも構いません。そこから広げられます)、
まずその方のレッスンを大事にします。
その際にニーズに応えられるレッスンプランがしっかり作れるかが重要になります。
そのための知識として次の3つ勉強しておくことをお勧めします。
・レディネス・ニーズ調査
・コースデザイン
・カリキュラム作成
ここにしっかりと時間をかけその方に合ったレッスンを提供することで信頼を得ることができ、
他の方を紹介してもらえる流れにつながる可能性が増えます。
いいレッスンを提供していれば、噂は自然と広まってくれます。
彼らには外国人の友人が多いはずです。他社の友人を、などという話も珍しくはありません。
また、社内に通訳チームなどがあれば、彼らの信頼を得ることはその社内での活動に大きくプラスに働きます。
言い方が適当かどうかわかりませんが、「戦略的に」動いていきながら、企業との距離を縮めていきましょう。
②社会とつながる/④個人で仕事を取る
『起業・創業セミナー』などに参加をすると、人脈はもちろん、
個人でどのように動けば「個人の事業」として収益につがなるのかを学ぶことができます。
また、どうしても閉鎖的になりがちな日本語業界から抜け出して他業種の方達とつながりを持つ、
つまり社会と繋がるためには、そのような場へ積極的に行くしかありません。
各行政が格安でセミナーを行っています。
しかも、中小企業診断士や税理士などのプロフェッショナルの人たちの話を聞くこともできます。
何よりも、参加している方々の意識が高いので、そういう方々と時間を共有するだけでも有意義な経験となります。
個人で動くための武器として、
・セルフブランディング
・ネット集客
・オンラインでの発信の仕方
・セールスライティングのテクニック
なども同時に学ぶ必要があります。
異文化コミュニケーション関係のセミナーやオフ会などに積極的に参加することで、人脈が生まれ、
思わぬところからビジネスチャンスが生まれたりします。
是非、異業種の方との接点を持つことを心がけてください。
③専門性を身につける
これは、実際に社会人の方のレッスンを始めて、試行錯誤しながら辿り着いた必要性です。
僕はまず、自分が教えている方の専門分野に関する本をかなり読みました。
インターネットでも多くの情報を得ることはできますが、その情報がどの程度確実なのかは保証されていません。
その点書籍の場合は、不確かな情報を載せることはありませんから信頼して情報収集することはできます。
教えている方にオススメの本を聞いてみるのもいいかもしれません。
また、書籍ほうが初心者にはわかりやすくてありがたいものが充実しています
「初心者でもわかる〜」「初めての〜」「〜まるわかり」などの本を一度はご覧になったことがあるかと思います。
これらは本当に助かりました。
メルカリなどを使えば比較的安価で手に入ります。
実際には、「一般的な日本語を学びたい」という人より「業務で使える日本語を学びたい」という人の方が多くいます。
日本語を学ぶ目的が仕事のためな訳ですから当然ですよね。
こちらも彼らの専門分野の勉強をすることで彼らと同じレベルで話ができるようになります。
そこに日本語教育の知見をプラスできればレッスン自体が非常に価値のあるものになりますし、
他の教師との差別化もできます。
「差別化」
この「差別化」というのはビジネスセミナーで学んだ概念ですが、何をするにも非常に大事な要素であると思います。
我々日本語教師の場合、もちろんそれぞれの個性や技術に基づいた「差」はありますが、
基本的には教える項目やメソッドというのはある程度確立されています。
「誰でもできる」
サービスの提供という観点から見ると、これは致命的です。
誰がやっても同じなら、他の人はその仕事とその人間に価値を感じません。
日本語教師としての知識や技術は持っていて当たり前。
そこに「何か」をプラスしたハイブリットを目指さなければ
今後はこの仕事の需要は減り、認知もされなくなっていってしまうでしょう。
まとめ
今回はあくまで、僕自身が掲げた目標に沿ってどのように動いたか、というお話をしましたが、
目指すところは人それぞれだと思います。
個人ではなく、学校組織の中で活躍したい、という方も多くいらっしゃるでしょう。
ただ、どのような目標であるにしろ、決して現状には甘んじずに成長し続けることを目指すべきだと思います。
偉そうなことを言っているように聞こえるかもしれませんが、この業界と同じ教師仲間の皆さんの今後を考えると
このままではいけないような気がしてならないのです。
ただでさえ「教える仕事」というのは、自分を客観的に見られなくなる可能性の高い職業です。
今の時代、自分をブランディングすることや自分を売り込むことがスマホ1台で簡単にできるようになりました。
ツールは揃っています。
あとは、ご自身が「やるかやらないか」です。
お一人でも多くの日本語教師の方の参考になれば幸いです。