にほんご分析

歯医者と医者と医者さん…ん?最後のは…

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歯科、歯医者、歯医者さん
病院、医者、先生、お医者さん、医者さん(×
皮膚科(耳鼻科)、皮膚科の先生

歯科とは普段あまり言いませんが、歯医者とは言う。
歯医者は「者」で終わっていますが、歯の医院自体を主に指す。
医院は人で構成されるものということで「歯医者に言われた」のような使い方もする。ドクター個人を言う場合は、「歯医者の先生」でしょうか。

病院だと、医者や先生はドクターを指しますが、歯医者同様、医者を病院の意味で使うこともある。
「医者に行かないと」。
ということは、歯医者と医者は施設を指すこともある、ということですね。

でも、“歯医者さんは言うが、“医者さんとは言わない。

この “医者さん” 、日本人で使う人はいませんが、外国人が使っているのをよく聞きます。「お」を頭につければ、歯医者さんのように “お医者さんと言えるようになる。
なぜでしょう…

また、歯科とはあまり言わないが、“皮膚科耳鼻科は逆にそれ以外の言い方はしない。ドクターを指すときには、“~科の先生、“~科の医者という言い方になります。

この規則性のない医療関係の語彙は日本語学習者を混乱させるのですが、どうして呼び方に違いがあるのかは僕にもわかりません(「医者に診せに行く」の省略で「医者に行く」なんていう解説もどこかにありました)。

日本語ネイティブであれば何の違和感も感じずに使っていると思います。
こういう言葉、日本語を外国語として学ぶ方と接してみて初めて、案外多いなぁということに気づくんですね。

恐らく慣習的なもの、便宜上の問題あたりが関係していると思いますが、やはり規則性がないものを覚えて使いこなせるようになる、というのは学習者にとっては骨の折れる作業であることは間違いありません。

大事なのはそれを私たちネイティブが知っておくことです。
日本語というのは難しい言語で、普段自分たちが使っている言葉や表現はもしかしたら日本語を母語としない方達を苦しめるようなものなのかもしれない、ということを。

*動物の性別に関する呼び方(「男の子」「女の子」)についてはこちらの記事で書いています。

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