外国人に優しい日本語

外国人に伝わる日本語 PART4

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16.縮約形「〜ちゃ、〜きゃ」などは使わない

「具合が悪い時はタバコを吸っちゃダメだよ」(医療関係者)

「日本に来たんだから、敬語ぐらい覚えなきゃ(覚えなくちゃ)」(日本人上司)

こんな日本語の使い方を外国人にしていませんか?

一見何の変哲もない日本語ですが、これはあくまで「私たちにとって」という条件の上で言えることです。

上記の2文はもとは次のような日本語です。

「具合が悪い時にタバコを吸ってはいけません/吸わないでください/吸わないようにしてください」

「日本に来たのだから、敬語を覚えなければなりません/覚えなくてはなりません」

口語ではこんな仰々しい言い方はしない、という方がほとんどでしょう。

しかし、外国人がまず教科書で学ぶのはこのような日本語なのです。

学習が進めば、「〜ちゃ」「〜きゃ」などの会話で使う「慣れた日本語」を学びますが、
まだその段階でない場合は正しい文法と表現で覚えていますので、
我々の使っている「慣れた」表現が伝わらない可能性は高くなります。

他に「〜とく(〜ておく)/といて(〜ておいて)」や、「い」を抜く言い方(「知ってる?」)も
外国人によってはわかりづらく感じるかもしれません。

日本語の「基本形」を知っておくことと、「伝わっていないな」と感じたら
相手の日本語レベルに合わせた日本語の使い方をしてあげてください。

17.簡単な形容詞を使う

十分→よく  清潔な→きれいな  高価な→高い  多忙な→忙しい  新規→新しい

危険な→危ない   詳細→詳しい・細かい   長期・短期→長い・短い 

形容詞に限ったことではありませんが、簡単な言葉に言い換えができるものなら
言葉の難易度を下げて使ってあげてください。

易しい言葉を使ったからといって伝わる内容は変わりませんし、相手を不快にさせたりすることもありません。

ビジネスシーンなどでは、「ビジネス日本語」を使うことが常識になっていますがそれは日本人相手の話で、
外国人に対してビジネス日本語を使っても、彼らは

「この人は社会常識があるな」
「この人は仕事ができるな」

とは思いません。真意が伝わっていないのに使ってるということは自己満足とも言えますね。

「伝わる」ことを第一に考えるなら、易しい言葉を選んで話してみてください。

18.同意を求めたり、自分の意見を控え目に言う「〜ない(ですか)」は避ける。逆の意味に捉えられかねない

「ねぇ、今日寒くない?」

「この資料、データが古くない?」

自分が思っていることについて相手に同意を求める言い方です。

語尾を上げるイントネーションだと、この用法になります。

「寒くない⤴︎」

「寒くない」

 

イントネーションを変えることで二つの違った意味(同意を求める/否定)を表すことができます。

逆に言えば、

イントネーションの違いでどちらの意味なのかを判断できなければならないということです。

相手の言ったことを聞き取るのがやっと、という外国人には
イントネーションを聞き分けて意味の違いを判断するなどという余裕はありません。

文字通り、聞こえた通りに解釈します。

「すぐに報告した方がいいんじゃないですか」

「今日中は難しいんじゃないかな」

「報告した方がいい」「難しいと思う」と自分の意見を言っていますが、
外国人には「じゃない」の部分が強調されて聞こえるようです。

その部分だけで否定の意味に捉えてしまう人が少なくありません。
場合によっては重大なミスコミュニケーションを生む可能性も出てきてしまいます。

「今日は寒いですね(寒いね))」「このデータ、古いと思います(古いね)」

「すぐに報告した方がいいですよ」「今日中は難しいと思います」

これなら日本語レベルの高くない外国人でも正確に理解できます。

ちなみに、これらの文型なら日本語教育では「初級日本語」に当たりますので学習期間数ヶ月でも理解可能です。

19.聞き方に気をつける。「どうですか」はNG

これは、日本語を学び始めてまだ間もない人に言えることかもしれません。

「体の調子はどうですか」(病院で)

この聞き方より、

「調子はいいですか、悪いですか」「どこが痛いですか」「〜は痛いですか」

という聞き方の方が答えやすくなります。

「体はどうですか」という質問に対しては、自分で言葉を探して選んで「説明」をしなければなりません。
これが私たちが想像しているより外国人にとっては難しいことなのです。

ある程度の日本語レベルの方でも「相手がわかる説明」となるとハードルは急に高くなり、
聞いていてわかりにくいと感じることがよくあります。

日本語教育に携わっていれば外国人に多い誤用は知っていますから、ある程度推測はできます。

しかし母語ではない日本語の説明を、普段外国人とそれほど接する機会がない人が理解しようとしても
そう簡単には上手くいきません。

ですから、

日本人の側で聞き方をコントロールする

そうするだけで、コミュニケーションがお互いにとって楽になるのです。

上記のように聞いてあげた場合、聞かれた外国人はどう答えるでしょうか。

「いいです」「悪いです」「お腹が痛いです」「はい、〜が痛いです」

こんなふうに答えればいいわけです。
質問の中に答えに必要な日本語が入っているんですね。

こちらの方がはるかに簡単です。

簡単に答えられるように聞いてあげる

これが大事なのです。

20.そのカタカナ語は英語?それとも和製英語?

カタカナ語は英語。だからそのまま使っても外国人に通じるはず…

こんなふうに考えている日本人は結構いるようです。

外国人と話すとき、相手の日本語力に応じて英語を混ぜて使うというのは個人的には大賛成です

「伝えて、伝わる」ことがコミュニケーションの本質ですから、
意図していることが正しく伝わるのであればそれに越したことはありません。
日本語を絶対に使わなければならない、とは思いません。

では、英語を混ぜて使うとしましょう。
我々が英語だと思って使っているものの中には、実は日本人同士でしか通じないものも数多くあります。
当然、それらを一生懸命使ったところで外国人は理解できません。
たとえ英語のような発音で言ってみても、です(笑)。

「なんだか通じないな」と感じたら、それは英語なのか、それとも和製英語なのかを
調べてみた上で使ってみることをお勧めします。

注意が必要ないくつかの例を挙げてみます。

【英語以外が語源】

「ノートパソコン」→「ラップトップ」   「ズボン」→「パンツ・ジーンズ」

「(電子)レンジ」→「マイクロウェーブ」 「アパート」→「アパートメントハウス」

「アルバイト」→「パートタイムジョブ」  

【縮約】

「アポイント」→「アポイントメント」

「エアコン」→「エアーコンディショナー」  「スーパー」→「スーパーマーケット」

「センチ」→「センチメートル」      「デパート」→「デパートメントストア」

「ファックス」→「ファクシミリ」

    

【英語を並べた】

「オーエル・オフィスレディ」→「オフィスワーカー」

「ガソリンスタンド」→「ガスステーション・ペトロルステーション」

「グリーン車」→「ファーストクラス」    「サラリーマン」→具体的職業名

「シャープペン・ボールペン」→「メカニカルペンシル・ボールポイントペン」

 

【違う意味で使われる】

「クレーム」→「コンプレイン」  「サイン」→「シグニチャー」

「チャック」→「ジッパー」     「ハーフ」→「ミックス」

「マンション」→「アパートメント」  

 

【語源がはっきりしない】

「コンセント」→「アウトレット・ソケット」  「フリーター」→「パートタイムジョブ」

「ポスト」→「メールボックス」

 

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